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カテゴリー「予防:予防接種」の記事一覧

病気のリスクを圧倒的に下げることのできる方法が予防接種です。
その理論的背景や日本特有の制度などについて特に重点を置いてご紹介します。

 『現場からの医療改革推進協議会 第7回シンポジウム』セッション8からのご紹介です。現在、「緊急促進事業」として国費助成の行われているHPV、ヒブ、小児用肺炎球菌3ワクチン接種率が東京都で低いとのデータが示されました。不思議な話だと思いませんか?(堀米香奈子、川口恭)

東京の接種率が低い.JPG

 米国で、保険加入会員対象のコホート研究を実施し、帯状疱疹ワクチン接種群と非接種群における、帯状疱疹発症リスクを比較したところ、ワクチン接種群ではリスクが55%低下することが分かりました。

Herpes Zoster Vaccine in Older Adults and the Risk of Subsequent Herpes Zoster Disease
Hung Fu Tseng, PhD, MPH, Ning Smith, PhD, Rafael Harpaz, MD, MPH, Stephanie R. Bialek, MD, MPH, Lina S. Sy, MPH, Steven J. Jacobsen, MD, PhD
JAMA. 2011;305(2):160-166. doi:10.1001/jama.2010.1983.

川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 米国では、ワクチンの公的勧奨によって、VPD罹患数や死亡数が劇的に減りました。

Historical Comparisons of Morbidity and Mortality for Vaccine-Preventable Diseases in the United States
Sandra W. Roush, MT, MPH, Trudy V. Murphy, MD, and the Vaccine-Preventable Disease Table Working Group
JAMA. 2007;298(18):2155-2163. doi:10.1001/jama.298.18.2155
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川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 市民8団体が共同で『VPD(ワクチンで防げる病気)から子どもたちを守るための予防接種法改正に関する要望書』を作成し、30日、厚生労働大臣室で三井辨雄大臣と面会して手渡したそうです。

 この8団体は、「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」、「ムコネット Twinkle Days」、「ポリオの会」、「一般社団法人 細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」、「+Action for Children」、「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会・支援ネットちば」、「先天性代謝異常症の子どもを守る会」、「胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患 母の会『肝ったママ's』」です。

 要望の内容は①必要な予防接種を国の財源で受けられるような法体系整備②現在は任意接種である、ヒブ・小児用肺炎球菌・HPV・B型肝炎・ロタ・おたふくかぜ・水痘の7種類のワクチンの定期接種化③特にヒブ・小児用肺炎球菌・HPVの3種類に関しては来年度からの定期接種化、の3項目でした。

 詳しくは、「+Action for Children」高畑紀一代表の報告をご覧ください。

 

 子宮頸がんを予防すると性行為開始以前の接種を望まれているヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンには、接種で安心感が生まれ性行為を助長するとの見方もあります。しかし、HPVワクチンを接種したグループとしなかったグループで比較をしたところ、接種後に性行為が増えることはなかったそうです。

Sexual Activity-Related Outcomes After Human Papillomavirus Vaccination of 11- to 12-Year-Olds
Robert A. Bednarczyk, PhD, Robert Davis, MD, MPH, Kevin Ault, MD, Walter Orenstein, MD and Saad B. Omer, MBBS, PhD, MPH
Pediatrics; originally published online October 15, 2012;
DOI: 10.1542/peds.2012-1516


川口利の論文抄訳

発行人の実兄。上智大学文学部卒。千葉県立高校の英語教師在任中に半年間の英国留学を経験。早期退職後に青年海外協力隊員となって、ホンジュラスで勤務、同じく調整員としてパナマで勤務。

 10月11日に都内で開かれた「欧州製薬団体連合会(EFPIA)ワクチン・メディアセミナー 2012欧州・日本における予防接種スケジュールとその課題」の中から、演者とメディアとの質疑応答の模様をご紹介します。

堀米香奈子 『ロハス・メディカル』専任編集委員。米ミシガン大学環境学修士。

演者は
カテリーヌ・ヴェイユ=オリヴィエ氏(パリ第7大学小児科教授)
齋藤昭彦氏(新潟大学大学院小児科教授)
岡部信彦氏(川崎氏衛生研究所所長、前・国立感染症研究所感染症情報センター長)
の3人でした。質疑応答に先立つ講演に関しては、オリヴィエ氏の分齋藤氏の分、それぞれご参照ください。

現時点では混合ワクチンよりお勧めです

同時接種 是か非か10

及川医院院長 及川馨

何が起きているのか、調べるべきでしょう

同時接種 是か非か9

北里大学北里生命科学研究所所長 中山哲夫

理屈では消せない不安と向き合う必要

同時接種 是か非か8

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野 教授 西 順一郎

医療者側の意識も変えねばなりません

同時接種 是か非か7

かたおか小児科クリニック院長 片岡 正
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