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認知症を知る16 他人事を自分事に ハート・リング運動

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※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。


できることはたくさんある――認知症本人の声、佐藤雅彦さん

 8年前にアルツハイマー病と診断されたのですが、当時の私はアルツハイマーについて何も知識がなかったので本を読みましたら、これができなくなる、あれができなくなる、5年後10年後には何も分からなくなるということが書いてありまして、絶望のあまり寝込んでしまいました。
 その後、クリスチャンだったものですから、聖書の「あなたは高価で尊い」という言葉を拠り所に今に至っています。本日は、こういう社会になってもらえたらと思っていることをお話しします。
(中略)
 認知症の人はコミュニケーションに時間のかかる人だけれど、何も分からない人、何も考えられない人ではないということを覚えていただきたい。あと社会の中で役割を持たせてほしい。
(中略)
 あとは「認知症になった私からのメッセージ」です(会場で紙が配られました)。

・認知症になっても、できなくなることも多いが、できることもたくさんある。
・認知症になると不便なことが増えるが、決して不幸ではない。
・認知症になっても、絶望することなく、生活の仕方の工夫を紹介して、希望を持って生きる。
・認知症になっても、人生をあきらめない。
・認知症への偏見は認知症当事者も信じて、生きる力を奪うので、この偏見をなくしたい。
・認知症になったからこそ、他人を気にせず、自分の好きなことをしてもらいたい。
・不便さを乗り越えて、自分の生活を張り合い持つように工夫して、充実した人生を送ってもらいたい。
・私の生き方を参考にして、自分らしく生き方を模索して、残りの人生、悔いのないよう生きてほしい。
・私は、認知症になってから、新たに覚えたことがたくさんあることを伝えたい。
・失った機能を数えたり、嘆いたりするのではなく、残された能力を信じて、悔いのない人生を送ってもらいたい。
・他人と比較することなく、何ができなくとも、自分は価値のある尊い存在だと信じて生活してもらいたい。
・パソコン、携帯電話をうまく生活に採り入れ、生活に不便を感じない実例を示したい。
・私の生きる姿を通して認知症当事者が希望をもって生きる姿を示したい
・一人でも多くの人に知ってもらいたい。理解して、自分もいつか認知症になることを想像して、思いやりの社会になってほしい。

 そうしたことを訴えるこの活動を、私も一緒につくってゆきたいと参加しました。

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