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サ高住が入居者の家族を雇うという面白い取り組み

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面白いニュースがあった。「『介護就職』で両得 県内施設が入居者の家族雇用 正社員に『世話、仕事同じ場』

家族の状況にもよるが、介護離職も増える今、良い取り組みではないかと思った。


ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

記事によると、サ高住が入居者の家族を正社員として雇うという試みだ。家族は入居者の近くで働けるし、サ高住側としては不足しがちな介護人材と、入居者の両方を得られるメリットがある。これだけだと「ふーん」かもしれないが、この試みで大きいのは、家族が無資格でも入社後に資格を取得できるよう支援する社内制度があるところだと思う。これなら、「自分も」と思える人が出てくるのではないだろうか。

家族の介護が必要だが働きたいと思っている人、在宅介護では息が詰まってしまうという人に向いている話ではないかと思う。介護する場が「家庭」ではなく「職場」になれば、本人と適度な距離も取れて息が抜けると思う。

筆者も介護施設で働いたことがあるが、同じ高齢者に対する時でも家族と他人とでは全く異なった態度になる。他人に対しては、教科書で読むような「尊重、尊厳」ということも考えやすくなるし、サービス提供上の判断で感情が揺れることがあまりない。ところが、実家に帰って家族に向き合うと、冷静な判断どころが感情の方が勝ってしまって叫びたくなったりもするし、正直ストレスが大き過ぎる。高齢者虐待が起こるのも、分からないではない。(筆者の場合は家族がこじれていたせいもあるだろうが、絶対に在宅介護はできないと思っている。産後うつの例もあり間違いなくメンタルをやられるだろう...)

他の高齢者への介護しながら仕事として家族への介護をするということになると、少しの余裕や冷静さが生まれやすくなると思う。そういう意味で、いい取り組みだと思った。本人にとっても、知ってる人のいない施設より、よく知った家族にケアをしてもらえると思えば、安心感が大きいだろう。

また、介護のために仕事を辞めざるを得ない人も増えているため、介護という職種でまた働けると考えることができたら、少し変わるのではないかなとも思う。その意味で、介護離職対策になるかもしれない。

2025年に向けて、こうした様々な取り組みが増えていくといいなと思う。

介護職の置かれた厳しい状況は書籍「地域包括ケアの課題と未来」の中の「辞めていく介護職」という項に書いていますので、ぜひご覧ください。家族介護の負担についてはこちらの記事「介護は家族で、の因習が日本の未来を暗くする」(ロハス・メディカル2014年10月号)をどうぞ。

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