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食物アレルギー治療にも「乳酸菌」ブーム?!

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先日、ピーナツアレルギー克服に向け注目すべき研究成果が報じられました

タイトルは「ピーナツアレルギー克服に道か=豪研究者が治療法開発」とあり、どんな治療法かは全く分からないのですが、中身を読んでみると・・・


ロハス・メディカル専任編集委員 堀米香奈子

ピーナツアレルギーを持つ子供たちに1年半にわたり、免疫強化の効果があるとされる乳酸菌の一種「ラクトバチルス・ラムノサス」と少量のピーナツを徐々に量を増やしながら摂取してもらった。


その結果、被験者の82%がピーナツ耐性を獲得。耐性を持った子供の8割は、臨床試験終了から4年が経過した今でも、ピーナツを問題なく食べられるという。

というわけで、実は乳酸菌の話なのです。アレルギーと乳酸菌、一瞬ミスマッチにも聞こえる両者をつなぐのは、記事中にもあるとおり「免疫」の2文字。

それどころか、免疫のことを知っていくほどに、このアレルギーと乳酸菌の取り合わせは、ごく自然、ごく当然のことと感じられるようになってきます。

『ロハス・メディカル』でも、免疫とアレルギー、免疫と乳酸菌の話は、繰り返し取り上げています。お勧め記事を3つ選んでみました。

●アレルギーと免疫:さらっとコース
⇒「なぜ? どうして? 花粉症の謎。」特集 
アレルギーの代表例とも言える花粉症を題材に、免疫とは何か、どうしてアレルギーを発症するのか、基礎から分かります。

●アレルギーと免疫:がっつりコース
⇒「免疫きほんのき」特集 第1回 第2回 第3回
アレルギーは第3回後半ですが、きちんと第1回の頭から読んでいくと、そもそも免疫とは何なのかが、根本から体系的に理解できます。病気全般に対する捉え方も変わるかも?!

●乳酸菌と免疫:
⇒「乳酸菌って何がどういいの?
腸内細菌叢こそが腸管免疫に必須の存在であり、私たちの健康は最近との共生の上に成り立っていることが分かります。乳酸菌は生きて腸に届かないと意味がない、と思っている方は、ぜひご一読ください。


なお、今回の研究は、切り口を変えれば、アレルギーの根本治療として知られる「減感作療法」の話題とも言えます。上記記事では触れられていませんが、要するに、アレルゲンにあえてうまい具合に接触していくことで、体を慣らさせてしまおう、という治療法。英国紙ではそこまで言及しています。

日本ではスギ花粉症の治療(舌下免疫療法)が行われていますね。興味のある方は、併せてこちらの記事もどうぞ。

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