全国の基幹的医療機関に配置されている『ロハス・メディカル』の発行元が、
その経験と人的ネットワークを生かし、科学的根拠のある健康情報を厳選してお届けするサイトです。
情報は大きく8つのカテゴリーに分類され、右上のカテゴリーボタンから、それぞれのページへ移動できます。

筋肉注射なぜ減った?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※情報は基本的に「ロハス・メディカル」本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

 昔はごく一般的に行われていた筋肉注射が、いつの間にかほとんど姿を消してしまったように見えます。代わりに主流になったのが皮下注射ですが、それはどんな場合にもベストな選択と言えるのでしょうか?

堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員(ミシガン大学環境学修士)

 40代以上の方は、幼少あるいは若い頃、お医者さんにかかって、お尻や太ももにブスッと注射を打たれた記憶はありませんか? あれが「筋肉注射」です。でも最近あまり見ませんよね。「特殊な場合に打たれる痛い注射」というイメージを抱いている方も多いでしょうか。

注射は何種類もある

96-k2.jpg 注射は、体内への針の入れ方で、表のように分類できます。このうち一般人がよく目にするものは4種類で、針の達する部位が体の表面に近い浅い方から順に、皮内注射、皮下注射、静脈注射、筋肉注射となります。


 皮内注射は皮膚の内部(表皮と真皮の間)に注射するもので、ツベルクリン反応など特殊なケースに限られます。

 皮下注射は腕などの皮膚と筋肉の間の皮下組織(脂肪など)に注射するもので、現在の予防接種は、ほとんどがこれで行われています。

 静脈注射は文字通り、静脈に注射します。注射器が太く、注射部位はひじの内側が多いです。

 最後の筋肉注射は、皮下注射よりさらに深い、筋肉組織内に薬剤を注入する注射です。注射部位としては、肩、太もも前面、そしてお尻が選ばれます。いずれも、ある程度まとまった筋肉があり、太い血管や神経が通っていない所です。

96-k1.jpg

 方法による違いは次の三つです。

①薬剤の吸収速度・持続時間。注射された薬が血液に吸収され、血流に乗って全身に運ばれて効果を発揮するまでの時間は、速い順に静脈注射、筋肉注射、皮下注射です。一方、薬剤の効果の持続時間はちょうど正反対です。

②薬剤の量。注射できる薬剤の量が部位によって違います。通常、静脈注射なら1回50mlまで。筋肉注射は5mlくらいまで、皮下注射は0.2~2ml程度です。

③薬剤の性質。薬の溶け込むベース素材に蒸留水を使った水性剤は、どの方法でも入れられますが、油性の溶剤を使用した油性剤や、溶剤中に微細粒子を均一に混ぜた懸濁液などは、性質上、血液になじみにくく粒子も大きいため、静脈注射や皮下注射ではうまく入れられません。また、pHや浸透圧などによって痛みが強く感じられる薬剤は、皮下組織に比べ神経の分布の少ない筋肉に打った方が、軽い痛みで済みます。

1 |  2  |  3 
  • ロハスな商品を厳選してお届け! HAPPY GRIN
  • Google+
  • 首都圏・関西でおなじみ医療と健康のフリーマガジン ロハス・メディカル
月別アーカイブ
サイト内検索